November 18, 2007

燐光群「ワールド・トレード・センター」

 11月15日(木)19時00分開演。岡山市立市民文化ホール。
 2001年9月11日、アメリカ同時多発テロの日のニューヨークに
ある日本語情報誌の編集部の1日。編集部員、カメラマン、ニューヨークを
拠点とする俳優やアーティストたちの行動や会話からその日のニューヨーク
の状況を浮かび上がらせる。
 暴力の連鎖の否定などを登場人物に語らせているが、強い政治批判は
抑え気味で、真面目や深刻にならざるを得ない話をうまく客演の小宮さんを
使って重さを取り除いている。
 また、ワークショップのシーンなど人のつながりを思わせる演劇的表現も
取り入れられていて単なるその日の追体験ではない。
 まだ続いている事件でもあり、正直全体像を見せるのは難しいし、
実際にあれだけ多くの情報を早い段階から一つの場所(編集部)で
知ることができたかどうか多少疑問だが、現時点としてあの日何が
あったかの総括として鮮やかな出来だったのではないか。もしも10年後、
20年後に再演があるならまた違った内容になるかもしれない。
 全席自由ということもあり、開場前から長い行列ができていた。
500人を超える方が来場していたと思われる。平日夜という時間帯や
題材の難しさ、岡山の人口規模を考えれば成功といえるだろう。

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September 23, 2007

映画「めがね」

 ある南の島の宿にやって来た主人公・タエコ。宿に
集う人々のゆったりとした感覚になじめず、宿を出ようと
するが、結局宿に戻り、人々とともに何もなくただ
たそがれるだけの日々を過ごすことになる。
 気持ちがいいほど出来事が何も起こらない映画。
誰も死なないし、恋愛もない。登場人物の人となりの
断片は明らかにされるが、主人公を含め完全には
わからないままで映画は終わる。
 タエコははじめこの宿のことを嫌っていたが、この島に
来たということは、元々たそがれを求めていたのだ
と思う。でなければ、もっと騒がしいところで過ごせば
いいのだから。

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September 17, 2007

こまつ座・シス・カンパニー「ロマンス」

 8月21日(火)13時30分開演。世田谷パブリックシアター。
 ロシアの劇作家チェーホフの評伝劇。「ボードビル」に憧れた
少年期から、優秀な医師となりサハリンに赴任し、モスクワ芸術座
での成功(しかし彼は演出に不満を抱いていた)、妻となるオリガ・
クニッペルと出会い、結核により妹のマリヤに後を託し短い一生を
終えるまでをたくましい周辺人物たちとのエピソードを通して描く。
 私はチェーホフについて全く知識がなく、著作も読んだことがない。
だから、あらかじめ知っていればもっと楽しめたのかもしれないと思った。
例えば、彼が目指していた「ボードビル」(アメリカの「ボードビル」
とは違うらしい)とはどんなものだったのか。パンフレットを買って
読んではみたが、いまいちつかめなかった。
 しかし、役者陣(大竹しのぶ・松たか子・段田安則・生瀬勝久・
井上芳雄・木場勝己=敬称略)の演技を観るだけでも、この公演は
十分価値があると思える。台本の完成が開演直前までずれこむという
(ある種お約束の)事態にもかかわらず、本当に引き込まれる魅力が
あった。

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September 16, 2007

ブラボーカンパニープロデュース・天晴お気楽事務所「宇宙の仕事」

 8月20日(月)19時00分開演。THEATER/TOPS。
 腋から宇宙人が嫌う特殊なにおいを出すという共通点だけで地球
防衛軍として宇宙ステーションに集められた農家の息子、浪人生、
フリーター、端役の役者、IT企業の社長等々。シフトを組んで
地球を守ることになったが、本来の仕事との掛け持ちのためこの仕事は
皆正直面倒くさがっている。しかし、彼らの都合とは関係なく次々と
宇宙人がやってくる。
 そもそもの設定から細かい部分までギャグがちりばめてあって、
全体としてゆるく楽しめる感じ。この感じは嫌いではない。
地球を守るというものすごく大切な仕事のはずなのに接待ゴルフや
田植えなどを優先してしまう登場人物たちの様子に、本当に大切な
仕事とはいったいなんだろうとか考える余地はある。


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September 09, 2007

宝塚歌劇・宙組公演「バレンシアの熱い花」「宙 FANTASISTA!!」

 8月20日(月)13時30分開演。東京宝塚劇場。
 宝塚歌劇を初めて観劇。女性客が約95%を占めていた。
 「バレンシア~」はバレンシアの領主に愛する者を奪われた
3人の男たちの復讐の物語。
 歌舞伎の女形が完全に「女」なのに対して、初めて観た宝塚の
男役は「男を演じている女」に見えて、私にはちょっとなじめ
なかったのだが、ローソンのパンフレットの(トップスター)
大和悠河さんへのインタビューだと「男役は男とは違う」という
ようなことが書かれていて、これは敢えてそう演じているのだろう。
 ストーリーはややぬるい感じがしたが、途中から良くなってきて、
復讐を成し遂げても愛する者は帰ってこないというラストは
納得がいくものだった。主題歌「瞳の中の宝石」はラモン役の
蘭寿とむさんが良かった。
 大和さんはやや迫力不足の部分もあったように感じられたが、
これがお披露目公演なので、これからトップスターらしくなって
いくのだろう。
 「宙~」はこれが宝塚なんだと思わせる華やかなレビュー。
かなり前のほうで観ていたので、視線が合わないかなとドキドキ
していた。

 

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September 03, 2007

ふくふくや「だてっこき、~三本木麗子の憂鬱~」

 8月19日(日)18時00分開演。下北沢「劇」小劇場。
 大衆演劇の三本木麗子一座の楽屋に、上京してきた鏑木丸子
一座が泊めてほしいとやってくる。丸子はすでに一線を退き、
娘3人のうち長女は結婚・妊娠して引退。次女は伸び悩み、
三女が看板役者だが、近頃増長気味。長女の夫や三女のヒモも
絡み、娘たちの独立問題や丸子の生い立ちの秘密も明かされていく。
 ストーリーは丸子にとってハッピーエンドではないが、
それでもこれからへの希望が見える舞台。役者の性で素直に
愛情を表現できない登場人物たちだが、見ている者にそれは
十分伝わってくる。
 脚本・演出も素晴らしいが、標準語と関西弁を使い分ける
長女役の賀屋直子さんや迫力満点の丸子役の福島まり子さんなど、
役者陣の力演も魅力。小さな劇場だがお客さんの拍手も大きく、
観てよかったと思える舞台だった。

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September 02, 2007

デス電所「輪廻は斬りつける(再)」

 8月19日(日)13時00分開演。駅前劇場。
 女子高生殺人事件を捜査する刑事や、歌手デビューする少年、
野望を持つ宗教団体などいくつもの物語が絡み合い、最後に
収束する。
 収束はするが、何かそれでカタルシスを得るということは
なく、正直私にはピンとこなかった。舞台隅に映像と音楽の
担当が頑張っていたので、この劇団はそれを楽しむものなのかも
しれない。
 ただ、最後の「ほうれん草の歌」は切なくて良かった。
生まれ変われるなら、せめてほうれん草に。

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August 28, 2007

小堺クンのおすましでSHOW22「スウィングしなけりゃ意味がナイ」

 8月18日(土)19時00分開演。シアターアプル。
 毎年恒例の夏の舞台。
 1幕は売れないスウィングバンド「サーロインズ」をめぐり、
解散させまいとするリーダー小堺さんとバンドを抜けたい残りの
メンバーの話。2幕は小堺さんの歌とフリートーク、全員での
タップダンス。
 終演が22時10分と例年より早かった。おそらく例年の長さに
対する批判を気にしたんじゃないかなあと思うが、歌やタップの
コーナーは縮められないのでギャグの部分が短く、小堺さんの
物真似ばかりになって少し単調だったのではないかと感じた。
若手の出番も増えていたが、松尾さんのボケももっと見たいと思った。
 それでも徐々にお客さんをつかみはじめ、ルー大柴さんの
飛び入りで客席の盛り上がりは最高潮に。この調子だと、ルー
さんは本当にレッドホワイト歌合戦に出られるんじゃないか。
 歌やタップはもうお見事で満足。やはり毎年楽しみにしている
舞台なので、来年もたぶん見に行きます。

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August 27, 2007

志の輔らくごin下北沢vol.14「牡丹灯籠」

 8月18日(土)14時00分開演。本多劇場。
 三遊亭圓朝作の怪談噺。前後半に分かれ、前半はトークショー形式で
登場人物を紹介し、後半は高座。
 私は、昨年国立演芸場で歌丸師匠の「牡丹灯籠」の一部(栗橋宿)を
聴いていたので、登場人物の紹介で伴蔵夫婦がどこで出てくるのかを
気にしていたのだが、全く出てこないで前半が終わってしまった。
しかも登場人物が非常に多くて、前半では紹介されない人物が多数。
内容も孝助の仇討ちの噺になっている。
 どうなるのかと思っていると、後半で残りの登場人物も出てきて、
前半ときっちりつじつまが合うようになっている。とにかく壮大な噺で、
休憩含めて2時間半でもかなり省略したと思われる。
 志の輔師匠は「これは怪談ではない」とおっしゃっていたが、私も
これは怖がる噺ではなく優れた長編小説だと思った。

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February 12, 2007

「新・夏の魔球」

 9月29日(金)14時00分開演。全労済ホールスペース・ゼロ。
 スポーツ紙の新米記者の娘が甲子園球場のグラウンドキーパーを
勤める父への取材を通じ、彼の野球やタイガースへの愛情、長嶋
茂雄へのアンビバレントな感情が描かれる。そして、彼は魔球を
武器に無謀にもタイガースの入団テストを受けるのだが……。
 役者さんたちは本当によく頑張っていたと思う。しかし、
話の展開が速過ぎて、わけがわからなくなってくる。登場人物に
も感情移入できず。上演時間も長かった。本当に残念。

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