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September 23, 2007

映画「めがね」

 ある南の島の宿にやって来た主人公・タエコ。宿に
集う人々のゆったりとした感覚になじめず、宿を出ようと
するが、結局宿に戻り、人々とともに何もなくただ
たそがれるだけの日々を過ごすことになる。
 気持ちがいいほど出来事が何も起こらない映画。
誰も死なないし、恋愛もない。登場人物の人となりの
断片は明らかにされるが、主人公を含め完全には
わからないままで映画は終わる。
 タエコははじめこの宿のことを嫌っていたが、この島に
来たということは、元々たそがれを求めていたのだ
と思う。でなければ、もっと騒がしいところで過ごせば
いいのだから。

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September 17, 2007

こまつ座・シス・カンパニー「ロマンス」

 8月21日(火)13時30分開演。世田谷パブリックシアター。
 ロシアの劇作家チェーホフの評伝劇。「ボードビル」に憧れた
少年期から、優秀な医師となりサハリンに赴任し、モスクワ芸術座
での成功(しかし彼は演出に不満を抱いていた)、妻となるオリガ・
クニッペルと出会い、結核により妹のマリヤに後を託し短い一生を
終えるまでをたくましい周辺人物たちとのエピソードを通して描く。
 私はチェーホフについて全く知識がなく、著作も読んだことがない。
だから、あらかじめ知っていればもっと楽しめたのかもしれないと思った。
例えば、彼が目指していた「ボードビル」(アメリカの「ボードビル」
とは違うらしい)とはどんなものだったのか。パンフレットを買って
読んではみたが、いまいちつかめなかった。
 しかし、役者陣(大竹しのぶ・松たか子・段田安則・生瀬勝久・
井上芳雄・木場勝己=敬称略)の演技を観るだけでも、この公演は
十分価値があると思える。台本の完成が開演直前までずれこむという
(ある種お約束の)事態にもかかわらず、本当に引き込まれる魅力が
あった。

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September 16, 2007

ブラボーカンパニープロデュース・天晴お気楽事務所「宇宙の仕事」

 8月20日(月)19時00分開演。THEATER/TOPS。
 腋から宇宙人が嫌う特殊なにおいを出すという共通点だけで地球
防衛軍として宇宙ステーションに集められた農家の息子、浪人生、
フリーター、端役の役者、IT企業の社長等々。シフトを組んで
地球を守ることになったが、本来の仕事との掛け持ちのためこの仕事は
皆正直面倒くさがっている。しかし、彼らの都合とは関係なく次々と
宇宙人がやってくる。
 そもそもの設定から細かい部分までギャグがちりばめてあって、
全体としてゆるく楽しめる感じ。この感じは嫌いではない。
地球を守るというものすごく大切な仕事のはずなのに接待ゴルフや
田植えなどを優先してしまう登場人物たちの様子に、本当に大切な
仕事とはいったいなんだろうとか考える余地はある。


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September 09, 2007

宝塚歌劇・宙組公演「バレンシアの熱い花」「宙 FANTASISTA!!」

 8月20日(月)13時30分開演。東京宝塚劇場。
 宝塚歌劇を初めて観劇。女性客が約95%を占めていた。
 「バレンシア~」はバレンシアの領主に愛する者を奪われた
3人の男たちの復讐の物語。
 歌舞伎の女形が完全に「女」なのに対して、初めて観た宝塚の
男役は「男を演じている女」に見えて、私にはちょっとなじめ
なかったのだが、ローソンのパンフレットの(トップスター)
大和悠河さんへのインタビューだと「男役は男とは違う」という
ようなことが書かれていて、これは敢えてそう演じているのだろう。
 ストーリーはややぬるい感じがしたが、途中から良くなってきて、
復讐を成し遂げても愛する者は帰ってこないというラストは
納得がいくものだった。主題歌「瞳の中の宝石」はラモン役の
蘭寿とむさんが良かった。
 大和さんはやや迫力不足の部分もあったように感じられたが、
これがお披露目公演なので、これからトップスターらしくなって
いくのだろう。
 「宙~」はこれが宝塚なんだと思わせる華やかなレビュー。
かなり前のほうで観ていたので、視線が合わないかなとドキドキ
していた。

 

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September 03, 2007

ふくふくや「だてっこき、~三本木麗子の憂鬱~」

 8月19日(日)18時00分開演。下北沢「劇」小劇場。
 大衆演劇の三本木麗子一座の楽屋に、上京してきた鏑木丸子
一座が泊めてほしいとやってくる。丸子はすでに一線を退き、
娘3人のうち長女は結婚・妊娠して引退。次女は伸び悩み、
三女が看板役者だが、近頃増長気味。長女の夫や三女のヒモも
絡み、娘たちの独立問題や丸子の生い立ちの秘密も明かされていく。
 ストーリーは丸子にとってハッピーエンドではないが、
それでもこれからへの希望が見える舞台。役者の性で素直に
愛情を表現できない登場人物たちだが、見ている者にそれは
十分伝わってくる。
 脚本・演出も素晴らしいが、標準語と関西弁を使い分ける
長女役の賀屋直子さんや迫力満点の丸子役の福島まり子さんなど、
役者陣の力演も魅力。小さな劇場だがお客さんの拍手も大きく、
観てよかったと思える舞台だった。

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September 02, 2007

デス電所「輪廻は斬りつける(再)」

 8月19日(日)13時00分開演。駅前劇場。
 女子高生殺人事件を捜査する刑事や、歌手デビューする少年、
野望を持つ宗教団体などいくつもの物語が絡み合い、最後に
収束する。
 収束はするが、何かそれでカタルシスを得るということは
なく、正直私にはピンとこなかった。舞台隅に映像と音楽の
担当が頑張っていたので、この劇団はそれを楽しむものなのかも
しれない。
 ただ、最後の「ほうれん草の歌」は切なくて良かった。
生まれ変われるなら、せめてほうれん草に。

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